海外で自動車事故を起こした時の対処法

 

カナダで自動車事故に遭遇したらどうするの? まずやらなきゃいけない事は? 保険の手続きは? 車を修理屋にもっていく時に確認することは? など

この記事を書いている人はカナダ在住歴約20年のお父さん。今まで、カナダで3回。自動車保険のクレームをしました。1回はアルバータ州。2回はブリティッシュ・コロンビア州。最近、車を当てられたので、調べた情報をシェアします。

自動車事故に遭遇した際の対応

移民が多いのか?それとも運転免許証を容易に取得できるからなのか?私の肌感覚だとカナダのドライバーは日本と比べると荒っぽいイメージ。でも、場所はどこあれ、安全第一!スピードの出しすぎ、燃費も考えて、法定速度を守ってディフェンシブ・ドライビングを心がけましょう。それでも自動車事故に遭遇した場合、下記の対応を参考に。

安全確保

自分と相手の安全を確保しましょう。怪我人がいる場合はすぐ警察(911)へ。怪我人がいない、車がまだ運転できる状態の場合は、証拠を抑え、速やかに車を道路から安全な場所に移動させましょう。

レッカー車と修理屋

車が運転不能の場合、レッカー移動する必要があります。レッカー車の会社と修理屋が結託している場合があるので、要注意。レッカー車の会社がサインを要求する書類は必ず確認しましょう。

相手の情報収集

運転免許証(名前、住所と運転免許証)、保険証、自動車のナンバープレートを写真撮影。相手の車の車種、モデル、年式も聞いて、メモりましょう。

目撃者(Witness)

目撃者を探し、名前、住所と電話番号を聞きましょう。後で揉めた際、責任の所在(過失)を明らかにする時に重要。同乗者や友人は目撃者としてみなされないので要注意。

事故の状況

状況を把握するのに写真と動画をなるべく多く撮影しましょう。保険屋に提出する書類用に地図と図で説明できる情報を全てメモ。

  • 事故を起こした状況は?(車線変更中の接触事故?など)
  • 事故を起こした場所は?
  • ストリート名(ドコとドコのストリートで起きた事故?)
  • 付近のランドマーク(目印となる建物など)は?
  • 付近の交通標識は?
  • 事故の起こした時間は?
  • 事故を起こした日の天候は?

 

示談したほうが良いのか?

相手から保険料の値上げを防ぐ手立てとして示談を交渉してくる場合があります。これは、あまりお薦めできません。相手は初対面、信用できるか分からないし、後で揉めた際、必要以上のお金が発生することもある。英語での交渉に自信がある方は示談を検討しても良いかもしれませんが、私は保険会社を通して解決することを強くオススメします。

もし、示談する場合は、修理の見積もり書、支払証明書(レシート・領収書)、これ以上請求しない誓約書を準備しましょう。

 

レンタカーで自動車事故した場合は?

警察へ連絡し、ポリスレポートを発行してもらいましょう。レンタカー会社にレポートを提出する必要がある。事故の状況や相手の情報を全てメモしたら、レンタカー会社へ連絡、レンタカー会社の支持に従いましょう。もし、海外旅行保険やクレジットカードに付帯されている保険がある場合は、そこへも連絡し、支持を仰ぎましょう。

 

保険会社とのやりとり

事故の状況を保険屋へ伝えましょう。事故が発生してから、24時間以内で保険屋に連絡しなければいけません。電話をするとオペレーターの質問に受け答えて、情報を伝えることになります。英語が不安な方は正確な情報を伝えるため、全ての情報を纏め、メールにて保険会社へ送付しましょう。私の場合、口頭でオペレーターに状況を伝え、その後、書面にて情報を送付しました。口頭レベルで伝わりにくい情報は書面で伝えるとお互い分かりやすいし、地図と図を使うとなおよし。正確な情報を伝えるように心がけましょう。保険会社によって、日本語の通訳を準備できる会社もあるので、要確認。オンラインでもクレームを受け付けている場合は、必要に応じて対応しましょう。

もし、自分の過失の場合、修理するのに保険の「ディダクダブル」を支払わなければなりません。相手の過失の場合、「ディダクダブル」を支払う義務はないが、相手が保険のクレームを提出している事が前提なので、相手にはなるべく早く保険のクレームを出すように促しましょう。

ディダクダブルとは?

保険会社が被保険者に保険料(修理代など)を支払い始める前に、被保険者がまず支払わなければならない「免責額」。

自分の情報

名前、保険証明書、車種、モデル等。事故の時に運転していた人の名前。家族で保険に加入している場合は、メインオペレーター(主な運転手)の再確認があるので、登録している情報をしっかり確認してから申請しましょう。

相手の情報

相手の名前、住所、電話番号、運転免許証番号、車種、年式、モデル、ナンバープレートなどを伝える。

事故の状況

事故発生日時

事故発生場所(グーグルマップを使い、進行方向など明確に記載しましょう)

事故のクレームタイプ(人身事故、車両損害、当て逃げ、ひき逃げ、盗難、車上荒らし)

乗車していた人の名前、年齢、どこに乗車していたのかなど。

どこへ行く途中に事故に遭遇したのか?

クレーム番号

全ての情報を伝えるとクレーム番号を発行してくれます。車を修理する際や代車でレンタカーを利用する時にも必要な情報なので、必ずメモりましょう。

 

車の修理屋さんとのやりとり

修理屋を選ぶ

修理屋は保険屋が認めている修理屋リストがあるので、保険屋さんにリストを依頼しましょう。その中から、自宅近くで対応可能な日がなるべく近い場所を選ぶ。選ぶ時にグーグルで検索してレビューを確認しましょう。信頼できる場所だと、お客さんのレビューにコメントしている修理屋さんがあります。積極的にサービス向上を目指しているので、もし万が一何かあった場合、前向きに対応してくれる可能性が高い。修理屋さんが決まったら、保険の詳細(Certificate No, Registration Noなど)を伝える。電話をする前に保険証を手元に準備しましょう。

見積もり(Estimate)の確認

まず、修理屋に車を持っていき、見積書をお願いしましょう。パーツと労賃の計算など時間がかかるので、当日に連絡がない場合、最速の連絡をしましょう。見積書が届いたら保険屋に提出。(修理屋が代理で提出してれます)

修理の確認

保険屋と修理代について確認が取れたら、修理の日程を予約しましょう。いつ修理が完了するのか?パーツの在庫状況とメカニックのスケジュールに大きく影響される。修理が完了する日はすぐに分からない場合は、こまめに連絡して、いつ完了するのか催促しましょう。投げってぱなしにしていると自分の車が後回しになったりします。

代車が必要な場合

事前に確認しましょう。ブリティッシュ・コロンビア州の場合、優良ドライバーのみが購入できる代車費用をカバーしてくれる保険商品がある。代車は英語でa courtesy car(発音:カーティシー・カーかクーティシー・カー)。代車費用をカバーできる保険で代車代、レンタカー(自家用車と同等レベル)の費用、公共交通機関の費用をカバーできます。

代車がレンタカーの場合

レンタカー会社が車を手配してくれます。通常、レンタカー会社が修理屋へ車で迎えに来て、レンタカー会社で車の手配の手続きを自分で行う必要があります。私の場合、レンタカーのレンタル費用は保険でカバー。利用した分のガソリン代とレンタカーにかかる保険は個人がカバーする必要あり。手続きには保険のクレーム番号が必要なので忘れないように。

 

州によって違う保険制度

カナダの自動車保険制度は州によって違います。ブリティッシュ・コロンビア州、サスカチュワン州、マニトバ州は州が運営している保険会社で強制加入。それ以外は民間の保険会社から選ぶことができます。

州・準州 自動車保険
ブリティッシュ・コロンビア州 ICBC(BC州が運営している保険会社)
アルバータ州 民間保険会社
サスカチュワン州 SGI(SK州が運営している保険会社 SK Auto Fund)
マニトバ州 MPIC(MB州が運営している保険会社)
オンタリオ州 民間保険会社
ケベック州 民間保険会社
ニューブロンズウィック州 民間保険会社
ノバスコシア州 民間保険会社
プリンスエドワード島州 民間保険会社
ニューファンドランド・ラブラドール州 民間保険会社
ノースウエスト準州 民間保険会社
ユーコン準州 民間保険会社
ヌナブト準州 民間保険会社

 

まとめ

自動車事故を起こすと日本でも気が動転してしまいます。それが、海外だと言葉の心配も。。。いちばん重要なのが、落ち着いて行動すること。もし、カナダで自動車事故に巻き込まれた場合、この記事が皆さんのお役に立てれば嬉しいです。安全運転でカナダの生活をエンジョイしてください!

 

ツールバーへスキップ