この記事ではそんな疑問にお答えします。この記事を書いている人は北米のナショナル・ラクロス・リーグ(NLL)の試合を見たカナダ在住のお父さん。試合観戦をする前にラクロスについての基礎知識を知りたくて調査・まとめた情報をシェア。
ラクロスとは?(Lacrosse)
クロスと呼ばれる先に網の付いたスティックで直径6cm・重さ150gの硬質ゴム製のボールを奪い合い、相手陣のゴールに入れることで得点を競う球技。
ラクロスの起源
北米の先住民達が、自分たちの神との繋がりを深める儀式の一環として行ったり、部族間の争いの平和的解決に用いていたもの。1839年に、カナダに白人で構成されたラクロスチームが誕生。1867年にラクロスはカナダの国技となり、さらにアメリカ、イギリス、オーストラリアなどで盛んにおこなわれるようになった。
ラクロスの種類
大きく分けて2つの種類がある。屋外で行われるフィールド・ラクロスとアイスホッケーのアリーナで行われるボックスラクロス。それ以外にも子供たちが楽しめるソフト・ラクロスがある。
フィールド・ラクロス
屋外で行われ、100m×55mの長方形の芝フィールドで競技される。プロリーグはメジャーリーグ・ラクロス(MLL)。女子と男子ではルールが異なる。
フィールド・ラクロスのルール
男子は1チーム10人、女子は1チーム12人でプレイ。オフェンス時は、男子は6人、女子は7人で行う。ディフェンス時はゴーリーを含め男子は7人、女子は8人。陣内の規定人数に違反した場合はオフサイドになる。選手交代は自由。ポジションはサッカーと同じでアタック(フォワード)、ミッドフィールダー、ディフェンス、ゴーリー(ゴールキーパー)に分かれている。
ラクロスの防具
男子はヘルメットやショルダーパッドなど防具が必要。女子の場合、防具を使用することはない。しかし、女子はゴーグルを着用。
ボックス・ラクロス
屋内で行われ、約55mx約27mのフィールドで競技される。角が丸くなったアイスホッケーのアリーナで競技されることが多い。北米のみで競技され、プロリーグはナショナル・ラクロス・リーグ(NLL)。
ボックス・ラクロスのルール
1チーム、ゴーリー含めた6人。競技時間は15分を4回、合計60分で競技。15分のクォーターを2回終えた後、16分の休憩がある。またアイスホッケーによく似たルールで(ペナルティーも含め)、競技中に乱闘もある。
日本のラクロス
日本ラクロス協会
東京に本部があり、日本のラクロス普及に努めている協会。調べてみると日本のラクロス人口は約1万6700人(ラクロス協会登録者数)。約400チームあるそうです。ちなみにラクロスのプレヤーをクロッサーと呼ぶ。色々なサイトを調査して感じたのは日本でのラクロスはフィールド・ラクロスが中心。ボックス・ラクロスは場所の関係上で中々できないのかなぁ?
ラクロス全日本選手権大会
日本ラクロス協会が主催するラクロスの全国大会。クラブ選手権上位2チームと大学選手権上位2チームの4チームで選手権獲得チームを決める。男子だと東日本クラブ連盟に所属する男子社会人のFALCONSが2018年に11連覇。女子はWISTERIAという社会人女子ラクロスチームが1990年後半から2000年にかけて勝っていたようですが、現在は明治大学、関西学院大学、慶應義塾大学、東日本ラクロスクラブNeOが入れ替わりで優勝している。
ラクロス全日本大学選手権
日本ラクロス協会が主催するラクロスの全国大会。男子は慶應義塾大学と早稲田大学が強い。女子は関西学院大学と慶應義塾大学が優勝している。
日本のラクロスについての情報源(サイト)
FUSION AGENTが運営するラクロス総合情報サイト。海外遠征の取材などあり。
日本ラクロス協会が運営・管理しているサイト。
世界のラクロス
世界では約60カ国以上が世界ラクロス協会に加盟している。北米のみでボックス・ラクロスが競技されているのを考えると世界基準ではフィールド・ラクロスが中心。国際ラクロス連盟が開催しているWorld Lacrosse Championship (WLC)では2強のアメリカかカナダが優勝を競い合っている。
国際ラクロス連盟
ラクロスを統括する国際競技団体。2008年に旧国際ラクロス連盟(ILF)と国際女子ラクロス協会(IFWLA)が合併する形で誕生。本部はカナダ・トロント。公式サイト。本会員の加盟国は下記の通り。加盟年は右横に表記。
Africa(2カ国)
Kenya | 2016
Uganda | 2011
Americas(14カ国と1連邦)
Argentina | 2002
Bermuda | 2006
Canada | 1974
Chile | 2017
Colombia | 2013
Costa Rica | 2008
Ecuador | 2018
Guatemala | 2010
Haiti | 2016
Iroquois Confederacy | 1988
Jamaica | 2013
Mexico | 2009
Peru | 2012
Puerto Rico | 2016
United States | 1972
Asia(10カ国)
China | 2016
Hong Kong | 2002
Japan | 1990
Korea | 2000
Malaysia | 2014
Philippines | 2014
Qatar | 2017
Singapore | 2013
Chinese Taipei | 2014
Thailand | 2010
Europe(33カ国)
Austria | 2005
Belgium | 2010
Bulgaria | 2008
Croatia | 2016
Czech Republic | 1992
Denmark | 2003
England | 1972
Estonia | 2013
Finland | 2002
France | 2008
Germany | 1994
Greece | 2017
Hungary | 2010
Ireland | 2002
Israel | 2011
Italy | 2004
Latvia | 2004
Luxembourg | 2017
Netherlands | 2001
Norway | 2008
Poland | 2008
Portugal | 2009
Russian Federation | 2011
Scotland | 1972
Serbia | 2010
Slovakia | 2004
Slovenia | 2005
Spain | 2004
Sweden | 1994
Switzerland | 2008
Turkey | 2010
Ukraine | 2018
Wales | 1972
Oceania(2カ国)
Australia | 1972
New Zealand | 2002
メジャーリーグ・ラクロス(Major League Lacrosse)
フィールド・ラクロスのプロリーグ。略称はMLL。公式サイト。参加は全9チーム(アメリカのみ)。2006年〜2008年は12チームあった。平均観客動員数は約4千人。毎年数字が減っている模様。シーズンは6月〜9月まで。
ナショナル・ラクロス・リーグ(National Lacrosse League)
ボックス・ラクロスのプロリーグ。略称はNLL。公式サイト。参加は全9チーム(アメリカ5チーム。カナダ4チーム)。プロリーグだが、プレイヤーの給料だけでは生活できないので、他の仕事をしている場合が多いようだ。シーズンは12月〜春頃まで。
プレミア・ラクロス・リーグ(Premier Lacrosse League)
2019年の6月から新しいプロリーグがスタート。略称はPLL。すでに6チームが参加を表明し、プレイヤーは1シーズン最低2万5千ドルのサラリーを保証され(それでも低い年俸)、健康保険にも加入ができる。アメリカのNBCテレビが放映権を取得し、6月1日から9月21日のシーズンでプレイされる。公式サイト。