海外就職。面接対策と注意すること。

 

海外で就職したい!外国人と仕事がしたい。外資系企業での転職に興味がある。将来、海外に移住したい。 など。

本記事ではこんな疑問にお答えします。この記事を書いている人は現在はカナダ在住で、以前は日本の日系企業、外資系企業でマーケティングをやってきたお父さん。今まで、日本とカナダでインターンシップから中途採用に関わってきました。2019年からMOSAICという団体でカナダで職を探している方へボランティアでアドバイスしています。

海外で仕事をする前に

そもそも、なぜ海外で仕事がしたいのか?

自分の目的をもう一度、考えましょう。ポジティブとネガティブな理由があると思います。ネガティブな理由をいかにポジティブに変えられるのかがカギ。ネガティブな理由の横に、それを解決した場合のポジティブな結果(自分)を書き出すと良い志望動機が見つかります。

志望動機

  • 自分が今までやってきた業種でのスキルアップ?
  • 得意な英語を海外で活かしてみたい?
  • 日系企業で海外赴任経験。やっぱり海外でずーと仕事がしたい!
  • 周りの友達が海外就職で自分もチャレンジ?
  • 日本で良い就職先がない?
  • とにかく、海外で就職したい?
  • 特定の国で就職したい!

 

 

 

海外の仕事に応募する際の注意点

Job Description (JD)に書いてあるキーワードを必ず使い、レジュメとカバーレターを作成しましょう。この理由は採用担当者(人事)はキーワードを使い、候補者をスクリーニングするため。JDに書いてあるキーワードを最低でも3つは見つけて、それをレジュメとカバーレターに入れよう。

 

事前準備(相手の分析)

面接官は誰か?面接は相手になぜ?、自分がこのポジションに適任なのか?をアピールする場所。相手をしっかり調査して準備しましょう。面接官の名前と肩書を聞き、とにかく調べまくりましょう。LinkedInで検索するのはマスト!それ以外にも人によって、SNSを含め、色々な情報を見つけることができます。仕事関係や私生活に関わる情報がある場合はそれを調査して相手がどんな人かイメージ、この人にはどのような対応が最適なのかシミュレーション。それともうひとつできることが、募集しているポジションと同じポジションで以前、働いていた人を見つけて、その人へ直接LinkedInでメールを送って質問させてくれるか聞いてみることもあり。相手が良い人だと色々と有益な情報を聞けることがあります。ダメ元で聞いてみましょう。

人事の場合

採用の場合、人事の役割は採用マネージャーから募集ポジションの人材が解決する問題を聞き、応募者の経歴からその仕事ができるのか?企業カルチャーにマッチしているか?を確認します。初回の面接は事前に採用マネージャーに確認を入れて、人事が面接する場合と人事がスクリーニングを趣旨に採用マネージャーを通さないで面接する場合があります。採用部署しかわからないような質問は控え、今までやってきた経歴や会社についての知識と情熱(興味レベル)をアピールできるかが重要。

採用マネージャーの場合

人事が既にスクリーニングしている場合が多いので、ここでは採用マネージャーが抱えている問題についてフォーカス。なぜ、このポジションを募集しているのか?どんな問題を解決してほしいのか?解決するためにある社内にあるツールは?採用マネージャーのスタイルは?どうやったら採用マネージャーが求めているスタイルで問題を解決できるのかを聞き出しましょう。

 

事前準備(自分の分析)

相手の分析が終わったら、募集ポジションのKey Responsibilities(職責)Requirements(必要条件)が自分の経歴とどれだけマッチしているのか確認。職責必要条件でマッチしている部分は細かく説明してアピールし、相手を安心させる。マッチしていない項目はどうやってそのギャップを埋めるのか?を説明しましょう。

電話面接する際の注意点

最初のスクリーニングで電話にて簡単な面接がある場合があります。時間は約30分。当たり前ですが、通信環境を事前確認しましょう。電波の良い場所。周りのノイズがない、静かな場所で対応しましょう。電話中に経歴の確認があります。応募した際のレジュメ。カバーレターを準備。

 

面接前の対策

相手の分析自分の分析の資料を箇条書きで準備。質問内容も全て書き出しましょう。質問は面接中に聞く項目以上を書き出すこと。面接中に自分が準備していること以外の流れになることも。とにかく、面接中に質問できる以上のことも書き出すこと。

動画で練習

自己紹介や相手が質問してくるであろう項目の受け答えを自撮りして動画で確認しましょう。それを何回も見直して自己紹介は簡潔か?論理的に説明できているのか?など確認。とにかく、練習あるのみ。本番に事前に調査・準備してきた内容をしっかり説明できるよう、時間の許す限り、練習、練習。オススメはスカイプのビデオ面接中の自分を動画に撮ること。自分の表情、受け答え、声のトーンや喋り方を客観的に確認することができます。

 

海外面接の服装

職種によって様々だが、金融系や製造業など保守的だと思われる業界ははスーツが無難。場合によって、私服でも大丈夫と言われる場合があります。それでもビジネスカジュアルにしましょう。柄物のシャツは避けたほうがベスト。あまり派手にならないこと。もし、会社が近い場合は、事前に社員の服装を下調べすることもあり。しかし、面接では社員の服装よりも少しレベルアップしたスタイルが良い。

 

面接中の対策

ここまで準備したら、後は自信をもって面接しましょう。相手の目を見て話す。冷静に、自分の言葉で自分の意見を伝えよう。自信をもって受け答えることがとっても重要。面接は自分をプレゼンする場所。プレゼンは声のトーンや喋り方が印象に残ります。相手に伝えたいのは、自分の経歴が職責と必要条件にマッチしていること。マッチしていなくてもこのような事をしてそのギャップを埋めれる。会社、業界に対しての思いと情熱。しっかり準備してきたことは相手に伝わり、共感になる。コレ、とっても重要。

面接官が外国人の場合

日本人が苦手な部分ですが、自分をしっかり売り込みましょう。できることをしっかりアピール。ちょっとしか、やったことがないこともできるとアピール。どこの会社でも仕事は新しい取り組みがある、今までにやったことがない事をやななければいけません。前向きでポジティブに仕事に取り組む姿勢を見せることが大事。オーナーシップ・マインド(当事者意識)をもって、仕事に取り組む姿勢。もし、自分ならこうする。と自信をもって説明しましょう。

 

面接官が日本人の場合

海外企業で日本市場を担当している日本人が面接官の場合は、相手が日本人だということを理解した上で、面接官が外国人の受け答えをしましょう。面接官も日本と海外のギャップを良く理解しています。募集ポジションが日本市場を担当する場合、その担当者と一緒に日本市場を大きくしていくことになります。日本市場の事情を会社に説明、自分たちに有利な方向に導かなければなりません。どちらにも偏りなく、バランス良い対応ができる人材が求められる。

注意事項

海外の日系企業だとコーポレートカルチャーは日本です。日本の企業風土に疲れた方は現実と理想のギャップがあることをお忘れなく。日本企業が海外の企業を買収して、日本から駐在で来る方の下で働く場合は自分が求められている職責・必要条件を良く理解しましょう。

面接は何か起こるか分からない?フレキシブル対応しよう

採用マネージャーとの面接中に、いきなり、他のメンバーとも喋って欲しいということでプロジェクトメンバーや他のスタッフと面接する場合があります。その際は、動揺せず、柔軟に対応しましょう。ここでオススメなのは自分が応募しているポジション以外の情報も知識として頭に入れておくと良い。会社の戦略が想像でき、他のメンバーと話している最中に他のポジションでこんな募集があるが、それはこの為なんだなぁ〜と分かる。そんな話ができると全体の流れが理解できる人だという印象を与えることができます。

 

スカイプ(Skype)でビデオ面接する際の注意点

応募している場所が長距離の場合は、スカイプ(Skype)でビデオ面接する場合があります。ビデオ面接は相手の顔を見て話せるので実際に会ってしゃべるのと同じ感覚。通常、面接と同じ準備が必要、それ以外で注意したいのが、インターネットの通信環境マイク。通常の会議でもそうですが、通信環境が悪いとそもそも会議になりません。必ず確認しよう。

インターネットの通信環境

ビデオ通話で必要最低限のアップロードとダウンロードスピードを確認。自宅のインターネットのスピードテストで確認しましょう。スピードテストはこちら

通話の種類 最低ダウンロード/アップロード 推奨ダウンロード/アップロード
ビデオ通話
(HD)
1.2Mbps / 1.2Mbps 1.5Mbps / 1.5Mbps
グループ ビデオ通話
(3 人)
512kbps / 128kbps 2Mbps / 512kbps
グループ ビデオ通話
(5 人)
2Mbps / 128kbps 4Mbps / 512kbps

出典:スカイプウェブサイト

マイク

マイク付きイヤホンがハンズフリーでオススメ。ハンズフリーだとメモがとれます。事前に友人か家族でテストしましょう。わざわざ、高額な商品(ワイヤレス)を買う必要はありません。3千円以下で良い商品があります。こんなイヤホンで十分。

質問の重要性

面接の最後に何か質問はありますか?と聞かれます。ここでは必ず質問してください。なぜか、ここで質問しない人が多くいます。これだと相手は自分の企業に興味がないと思い、印象が悪い。

質問する前に相手に伝えよう

質問に対する答えの時間を考慮しよう。質問する前に相手に何個質問があるのか伝えましょう。時間にもよりますが、3つが無難な数字。事前準備で考えた幾つもの質問内容から前もって質問する3つをピックアップ。面接中に答えがわかる項目もあるので、その場合は次に質問したい項目を選ぼう。ここで注意したいのが、初回の面接で雇用条件について細かく質問しないこと。これは、最終面接や実際に採用が決まりそうなタイミングで聞こう。

 

2次面接の対策

2次面接も同様、相手の調査と1次面接で聞かれば内容を元に、質問内容をブラッシュアップしましょう。2次もしくは3次面接で、ケーススタディーと呼ばれる、課題に対して論理的に問題解決を求められる場合がある。

ケーススタディー

ポジションと業種によってケーススタディーの種類が違うが、市場の大きさを推測、売上を○倍にするには?、現状の問題解決法などの課題がある。面接中に口頭レベルで説明する場合と事前に時間が与えられ、プレゼンに落とし込む場合がある。ここで重要なのが、情報の整理と仮定する数値が概ね想定内かどうか。これは、今までの経験とリサーチ力が試されるところ。

 

最終面接の対策

ここまでくると最終確認的な意味で採用マネージャーの上の役職と会うことになります。今までの面接で学んだ戦略や業界の方向性など、ハイレベルな話を中心に話しましょう。

 

更にアピールするには?

最後のひと押しとして、有効な手段は、採用マネージャーに対して、自分なりに纏めたこのポジションが解決する課題や市場調査の情報をプレゼン資料にすること。

私が個人的に行ったことで上手く行ったのが、以前、日本市場を担当していた際に、その市場をネットで調べまくり、纏め、自分なりに調べてみましたと、面接の最後に見せました。

これはタイミングが重要で、最後の質問の最後の最後にサラっと纏めた資料を出すこと。最初にコレでもかぁ!と出すと相手からお願いされていないのにここから会話がスタート。全体の流れに支障を与え、逆に相手を不快にしてしまうかもしれません。

最後の最後にコレを見せることにより、熱意とコミットメントを見せることができる。資料にはコレコレこのような課題があると推測するので、○○すれば現在、調査して得られた限られた情報で上手くいくと思いますと付け加えると印象が更に良くなります。その後、サンキューレターをカードに直筆で送ると良い。相手は人間です、一緒に仕事したいなぁと思わせることが重要(他の応募者はメールにてサンキューレターを送りますが、多分ここまでやっていないと思います)

 

採用が決まったときの交渉術

ここまでやって採用が決まったら、条件の交渉です。海外は何でも交渉の国。最初に提示された、金額を最大化するため、自分が求めている事を書き出して、交渉しましょう。自分への評価が高い場合は好条件で採用が決定する場合がある。項目別に条件を事前に書き出して、妥協できる項目とそうじゃない項目を把握。サラリーはある程度の幅が設定されているので、適任者には多少の増加にも十分に対応できる予算があることが多い。

 

もし、不採用の場合

残念ながら、不採用になった場合でも、コーポレートカルチャーにマッチした人材は後に、別のポジションで連絡がくる場合があります。私も最初に応募したポジションでは不採用でしたが、カルチャーに合った人材と判断され、別の採用担当者から直接電話をもらったことがあります。とにかく、面接では自分のできることを全てやりつくすことに徹底しましょう。

 

オファーレター

採用が決まると先方がオファーレター(内定通知書)を準備します。それをサポートする為に前職の給与書類(直近3ヶ月分とボーナス)などを送付必要がある場合がある(日本の外資系ではありましたが、カナダではありませんでした)。

 

レファレンスの重要性

日本の外資系(最近では日系でも取り入れている)でも同じですが、最終確認として、レファレンスチェック(Reference Check)が行われます。身元照会、経歴照会という意味。確認内容は勤務期間や内容、働きぶり、コミュニケーション能力などがチェックされる。前職の上司や同僚、取引先の方など2〜3名にお願いするのが一般的なので、事情を説明してお願いしましょう。英語ができない方の場合、日本語で書いてもらい、オリジナルの日本文と一緒に自分や訳した英文を添えても大丈夫だと思います。書類での確認以外、直接電話にて確認がある場合もあるので、電話番号も一緒にお願いしましょう。レファレンスの情報は先方からお願いされたタイミングで大丈夫。レジュメにはReference available upon requestと記載しておきましょう。

 

まとめ(テイクアウェイ)

キーワードは分析能力準備練習。このアドバイスは日本にある外資系企業でも使えます。特に要職を任されている外国人との面接にも応用可能。以前、日本にいた時、某外資系ブランドの外国人の方が仰っていたことを思い出します。「社名ありきで、今まで採用した人材は当事者意識がなく、ありふれた仕事しかできない。」と。この記事が少しでも海外でチャレンジしてみたい方の為になれば嬉しいです。何か質問等があれば、コメント欄からお問い合わせください。

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