この記事を書いている人はカナダ在住でカナダへアイスホッケー留学したお父さん。今まで数多くのスティックを購入してきました。子供がアイスホッケーをスタート!初心者がスティックを購入する時に気をつけたほうが良い点をシェア。
結論
- 1万円前後のカーボンファイバー
- ブランドはCCMかBAUER
- FLEX値は目安より10低いモノ
- ブレードはミドルカーブ
- ブレードの長さはミディアム
- ブレードのフェイスはクローズ
- 角度(LIE)は5をチョイス
アイスホッケーのスティック【初心者の選び方】
初心者が初めてスティックを購入するときに心配なことは:
- 幾らするの?
- 何を選べば良いの?
- 折れたらどうしよう〜
数千円から数万円
ざっくり約4千円から約4万円。安いスティックは木製で4千円から。高いスティックはカーボンファイバーで数万円。
目的に合ったスティックを選ぼう
一番最初に考えることはあなたは何故、スティックが必要なのか?目的をハッキリさせること。日本一を目指すの? 大学のサークル? スティックで遊びたいだけ?
スティックとパックで遊ぶだけ
コスト重視。数千円で十分。木製スティックも視野に入れよう。
アイスホッケーを本格的に始める
チームに入る前提でスティックを購入するなら、中長期的な視点で選ぼう。大人なら身長がこれ以上大きくならない。今の体力とホッケーが上手くなった前提でスティックを選ぼう。子供はこれから身長が大きくなるので、そこまで慎重になる必要なし。買い換えを考慮して、コスパ重視で購入。
長さの目安
一般的にスティックの長さは鼻から目の間の長さがオススメ。スケート靴を履くと顎下あたりにスティックのエンドがあるイメージ。初心者や子供はもう少し短めのほうがスティックハンドリングがやりやすい。スケートを履いて、顎下にくるぶし一個分下でも良いぐらい。
カンタンに折れません!
ご心配なく。木製スティックでもそうカンタンには折れません。初心者の使い方なら折れる心配なし!
スティックの価格帯【予算】
予算は? カナダのアイスホッケーショップに行くと最初に聞かれる質問。スティックの素材は技術開発が進み、値段も高額。ピンきりなので家族と銀行口座に相談して決めよう。
- 低価格:4千〜1万円(木製とカーボンファイバー)
- 中価格:1万〜2万円(カーボンファイバー)
- 高価格:2万〜4万円(カーボンファイバー上級モデル)
低価格帯のスティック
スケート靴は持っていて、ちょっとパックとスティックでホッケーを体験・遊びたい方は木製スティックで十分。5千円ぐらいが相場。
中価格帯のスティック
チームに所属してプレーするなら1万円前後のカーボンファイバーのスティックが人気。
高価格帯のスティック
本格的にアイスホッケー。パフォーマンスにこだわる上級者は3万円台のスティック。
スティックのブランド【メーカー】
スティックを販売しているメーカー(メジャーな企業)は5社。その中でも、BAUERとCCMが大きなシェアを占めている。ということで、BAUERかCCMを買えば間違いない。
5大メーカー
- Bauer
- CCM
- Warrior
- Easton
- Sher-Wood
じゃあ、どっちが良いの?
NHLをフォローしている方は好きな選手が使っているスティックのブランドを買えば、気分がアガる!これもチョイスの一つ。個人的にはショップの店員さんが優しく、高いモノを売りつけてこない。本当に自分の予算と利用シーンを考えてアドバイスをくれたスティックを購入。Warriorもコスパ高いスティックがあるので、店員さんの接客が良かったらBAUERかCCMオンリーじゃなくても良し。
カナダ発の今でもカナダのブランド【豆知識】
Sher-Woodはケベック州のSherbrookeにある企業。2018年にカナダの代表的な小売店、Canadian Tireに買収され、コスパ高いスティックを販売。リーズナブルで品質の良いカナディアンブランドとしてカナダで愛されている。
CCMもカナダ発(オンタリオ州)のカナディアンブランド。CCMの頭文字はCanadian Cycle & Motor。元は自転車を製造していた会社。本社はモントリオール、ケベック州。
スティックの素材
私が高校生の時に使ったのは木製スティック。この時期、アルミのシャフトでブレード部分が木製のスティックが流行った。今はコンポジット(Composit)と呼ばれるカーボンファイバー製のスティックが主流。アルミのスティックは見なくなった。コンポジットは木と比べると軽く、しなりが半端ない!お金がある人はカーボンファイバーのスティックがオススメ。
木製スティック
木材のスティック。まだ販売されています。ショップで見ると全体の5〜10%の品揃え。遊びでホッケーを楽しみたい人は木のスティックで十分。カナダは屋外スケートリンク、湖や池が凍ってスケートできる。ここで遊ぶだけなら安いスティックを選択。
アルミ
アルミのシャフトに木製のブレードを差し込むタイプ。ブレードの差し込み部分に糊が付いていて、ドライヤーで温めて、アルミに押し込むタイプ。カーボンファイバーのスティックが主流でもう製造してない。GretzkeyがLA KINGSで使っていたEASTONのスティック。みんな憧れて買っていたなぁ〜、懐かしい思い出。
ファイバーグラス
ファイバーグラスのシートを木に被せたスティック。木より強度が高い。しかし、使っているとこれが剥がれて、テープで補強して、問題点もあった。
カーボンファイバー
コンポジット (Composit)と呼ばれるカーボンファイバー製のスティック。軽くで強度が高い。
スティックのしなり【FLEX】
カーボンファイバーのスティックにはFLEXと書かれた数値がある。
FLEX値は「しなり」
1 FLEXの意味は1ポンド(2.2キロ)の力を加えると1インチ(2.5cm)ステックが曲がるという意味。100 FLEXは100ポンド(約45キロ)の力を加えると1インチ(2.5cm)曲がる。数値が少ないほど柔らかい。一般的にフォワードは柔らかめ。ディフェンスはスラップ・ショットを打つことが多いので固め。あくまでも一般論。個人の好き嫌いがあるので、自分に合ったスティックを選ぼう。
初心者は少し柔らかめのスティックがオススメ。しなりを使ってパスやシュートがカンタンにできる。自分の目安より10 FLEX低い数値がオススメ。(例:体重が60キロの場合。60キロは約130ポンド。130 ÷ 2 = 65 − 10 = 55 FLEX)
「しなる」FLEXする場所も注目
スティックがしなる場所もスティックによって変化。Mid-Kickが癖がなくバランスが良く人気。
・Mid-Kick (スティックのシャフト中央部分がしなる)
・Low-Kick (スティックのシャフト下の部分がしなる)
FLEX値の目安
体重をポンド換算してそれを半分(2で割る)にする。体重が60キロの場合。60キロは約130ポンド。130 ÷ 2 = 65。FLEX値の目安は65。
体重(キログラム) | 体重(ポンド) | 2で割ると? | FLEX値の目安 | 年齢層 |
20キロ | 約44ポンド | 22 | 20 | ユース |
25キロ | 約55ポンド | 27.5 | 25-30 | ユース |
30キロ | 約66ポンド | 33 | 30-35 | ジュニア |
35キロ | 約77ポンド | 38.5 | 35-40 | ジュニア |
40キロ | 約88ポンド | 44 | 40-45 | ジュニア |
45キロ | 約99ポンド | 49.5 | 45-50 | ジュニア |
50キロ | 約110ポンド | 55 | 50-55 | ジュニア |
55キロ | 約121ポンド | 60.5 | 55-60 | シニア |
60キロ | 約132ポンド | 66 | 60-65 | シニア |
65キロ | 約143ポンド | 71.5 | 65-70 | シニア |
70キロ | 約154ポンド | 77 | 70-75 | シニア |
75キロ | 約165ポンド | 82.5 | 75-80 | シニア |
80キロ | 約176ポンド | 88 | 80-85 | シニア |
85キロ | 約187ポンド | 93.5 | 85-90 | シニア |
90キロ | 約198ポンド | 99 | 95-100 | シニア |
子供は20〜50FLEXが目安。
大人(シニア)は60〜100FLEXが目安。
切るとFLEX値は変化
スティックの長さを短くするとFLEX値が高くなる。スティックを切る人は切った時のFLEX値を考慮して購入しよう。スティックによっては切ったら何FLEXになるのかスティックに表示。このスティックは約5cm切ると6 FLEX数値が上がる。目安は1インチ(約2.5cm)切ると5 FLEX数値が高くなる。
どうやって切るの?
Hacksaw(ハクソー・弓ノコ)と呼ばれるノコギリがオススメ。切った後、切り口を地面(セメント)にこすりつけるとスムーズな面になって扱いやすい。ショップで購入するなら、買った時に切ってもらおう。NHLの選手はMiter Sawと呼ばれるノコギリを使っている。
ちなみにAustin Matthewsのスティックは短め。FLEXは82。昔は65→75、今は82を使用。
スティックのタイプ
パックをハンドリングする部分のブレードのタイプ。ブレードは大きく分けて2タイプ。
ブレードのカーブ
カーブの角度。数値はP値で表示。P92とかP01などPから始まる数値。ブレードの根本(ヒール)から曲がるとか先っぽ(トー)から曲がるなど。これはプレーヤーのポジションや個人差あり。
- トゥ・トウ(Toe = つま先):つま先からカーブかきつくなる
- ミドル(中間):ブレードの中間部分からカーブ
- ヒール(Heel = かかと):かかと部分からカーブ
ブレードの長さ
ブレードの長さは3種類。
- ショート: 名前の通り。ブレードの長さが短い。
- ミディアム:中間の長さ。
- ロング:長い。
ブレードのフェイス
フェイスはオープンとクローズの2種類。
- オープン:パックを上に上げやすい。ブレードが開いているイメージ。
- クローズ:パックコントロールの精度が高くなる。ブレードがパックにかぶさっているイメージ。
ブレードとシャフトの角度 (LIE)
ブレードを地面に平らに置いたとき、シャフトとブレードの角度(Lie = ライ)。角度は4, 5, 6が主流。
ブレードはどのタイプが良いの?
初心者はミドルカーブでミディアムのブレードの長さ。フェイスはクローズ。角度はLIE 5をチョイスすれば間違いなし。
レフトハンドかライトハンド?
初心者はまずショップでライトかレフトハンドのスティックを握って、どっちがシックリくるか試そう。ボールでスティックハンドリングして見るとどっちが自分の利き手がすぐ分かる。
レフトハンド
レフトハンドはスティックのエンド(グリップ)部分を右手で持つこと。
ライトハンド
ライトハンドはスティックのエンド(グリップ)部分を左手で持つこと。
グリップ
グリップはスティックの端の部分。グリップエンドとも呼ぶ。グリップの作り方は2つ。
市販のグリップ・ラップ
市販のモノを付ける。テープでカスタマイズするのが面倒くさい人にオススメ。
テープで巻く
ホッケーテープ(黒か白)で凹凸をつけたり、エンド部分を太くして、手から抜けないようにカスタマイズ。人それぞれ。個性とこだわりがでる部分。個人的にはわざわざグリップを買う必要はない。市販のグリップはエンド部分が平で手から抜けやすい。私はテープ節約とエンドを太くするため、テープをツイストさせて、縄状にして巻く。テープでカスタマイズしながら自分流を極めよう。
どんなテープ
グリップ専用のグリップテープあり。ブレードに巻くテープより少し目が粗い。一回使ったことあるが、耐久性が微妙。すぐボロボロになる。私はブレードに使う白いテープを使用。
テーピング
ブレードに巻くテープ。巻く理由は2つ。
ブレードを守る
テープを巻くことでスケート靴の刃やボードに当たった時のダメージを軽減。
パックとブレードのハンドリング
テープを巻くとパックをハンドリングしている時にパックがブレードに引っ付く感覚を高めことができる。
どんなテープ?
カナダではホッケーテープで通じます。布製のテープでブレードに巻く黒か白のテープ。
何色のテープ?
チョイスは黒か白のホッケーテープ。白だとパックがゴールキーパーから見やすいので黒しか使わない選手も。個人的にはそんなに違いはないと思うけど、やっぱり黒のテープを巻いてます!
ブレードのスティックにワックス【豆知識】
カナダではブレードのテープに固形ワックスを塗る人もいる。防水効果が得られ、テープが長持ち。ワックスはベトつくモノがあり、パックがブレードに引っ付きやすくハンドリングしやすいなどの効果が期待。私は特別なワックスは買いません。誕生日用の使用済みロウソクを使用。
まとめ
初心者に無難なチョイスは1万円台のカーボンファイバーのスティック。ブレード用のテープを黒と白を買えば問題ない。FLEX値は10低い数値を。